【姫様たちの退屈】
波乱の合コン 編
むかしむかし……ではありません。

ある日、白雪姫とシンデレラと赤ずきんちゃんとかぐや姫が、連れ立ってとあるカラオケボックスに来ておりましたとさ。

ちなみに……今日のお店は前にアイテム交換会をしたお店ではありません。あのカラオケボックスは、見事に入店禁止となりました。

それはともかく、今日は男性陣とここで4対4の合コンをすることになっているのでした。


「はーい、男性陣の皆さんはじめましてー! シンデレラでーす! 趣味は歌とダンスと、あとはお掃除かな。こう見えて家事も結構得意なんですよー!」

と、元気にシンデレラが自己紹介をします。

その隣には「けっ、カワイコぶりやがって」とか言いたげな白雪姫がいて、シンデレラを横目で見ています。

そしてさらにその隣に、

「…………」

かぐや姫がいて、今日も絶好調で宙をぼーっとみつめていました。もしかしたら大宇宙の大いなる意志とか、そんなのと交信しているのかもしれませんが、本人以外それはわかりませんし、単に本人も何もわかっていないだけかもしれません。


彼女たちの前には、もちろん男性陣もいます。

「いいねぇ、みんな素敵だよ。あ、きびだんご食べる?」

と、前髪をかきあげつつ指でつまんだきびだんごを差し出しているのは、桃太郎です。きびだんごをつまんだ方の手は、小指が良い角度で立っています。結構イケメンです。

「べっぴんさんばかりで、ええのぅ。こりゃあ来て正解じゃったわい」

と、太眉の濃ゆい顔でつぶやいているのは、金太郎です。何故か手にしたでかいマサカリの刃を指先でなぞりつつ、うっとりとした顔をしています。マッチョです。体育会系なのでしょう。

その金太郎の隣には、

「…………」

胸に大きな海亀を抱いて、不安そうにあたりを見回している青年がいます。浦島太郎です。長身をかがめて前かがみ気味になっている姿勢といい、誰とも目を合わせない事といい、なんだかかなり内気な性格のようです。警戒しまくりの小動物のような空気をぷんぷん放っています。


あと1人ずつ、男性陣と女性陣の参加者がいますが、彼らは他のメンバーとはちょっと離れた部屋の隅ににいました。赤ずきんちゃんと、一寸法師です。この2人は、それぞれ男性側と女性側の幹事でした。

「とりあえず自己紹介の後は、自由なトークタイムという事で様子を見ましょう。あと、それとなく僕の方で男性陣にどの女性がタイプか聞き出します。1人の女性に人気が集中する、なんて事が起きないように努力してみますので」

「ご配慮感謝します。すみません、なんというか、その……うちの女性陣、個性が強くて……」

「いえ、それはこちらも同じですから……」

などと言いながら、お互い苦笑する2人です。

しっかり者の両名でなければ、このメンバーの幹事など到底勤まらないでしょう。

「何か簡単につまめるものがあったほうが話が弾むかもしれませんね。そのあたりは女性陣の好みに合わせて注文してしまってもいいでしょうか?」

「はい、それでお願いします。男性の方は誰も食べ物の好き嫌いなどありませんので」

「わかりました、では……」

「頑張りましょう」

と、ここまで話すと、2人は軽く頷き合い、それぞれのメンバー達の中に戻りました。

いよいよ、合コンの始まりです。

さてはて、一体どうなりますことやら……