【男子高校生達の戯言】
昼休み 編
「だー! 負けたー!」

昼休み、俺はジャンケンに負けた。

「はい、ジュース買いに行く奴、決定ね」

と、カズキがニヤリと笑って俺の肩を叩く。うっせーな、いちいち確認しなくてもわかっとるわ!

「おまえ、ここぞって時にグー出すよな」

一番付き合いの長いサトシも苦笑している。うん、自分でもわかってるんだが、なんか直らない。クセみたいなもんだ。

「……」

俺と2人最後まで負け残っていたナツオが、黙って自分の分の金を差し出した。くそ、勝ち誇った顔しやがって。次は見てろこん畜生。

「かわいそうに……ついていってあげようか? で、帰りに一緒にトイレに寄ろうよ。うん、それがいい」

タツヤが、どういうつもりか俺の手を握りしめてそう提案してきた。返事の代わりにその手を荒々しく振りほどく。便所に行きたきゃ1人で行け。でもってそのまま永遠に帰ってくるな。できれば海まで流れていって藻屑となって果ててしまえ。

「よし、何買ってくるか言いやがれ。あと金よこせコラ」
「逆ギレかよ」
「ちゃんと帰ってこいよ。トンズラしたら通報すっぞ」
「……」
「やっぱり一緒に言ったほうが……あとトイレも」

わいわい騒ぎながらも、俺は全員の注文と金を受け取ると、さっとと教室を走り出た。言うまでもなく1人で、だ。タツヤは俺の子供の頃の話をサトシが語り聞かせてやると言ったら、じゃあおとなしく待つよ、と言動を変えやがった。それはそれで嫌だが、まあ仕方ない。

さっさと買って帰ってくるぞ! 待ってやがれ!