【男子高校生達の戯言】
好きな人 編
「なあ、おまえら好きな人っているか?」

と、カズキが言った。

「なんだよ、いきなりだな」

俺は素直な感想を口にした。本当になんの脈絡もない。

「ついに青春にでも目覚めたのか?」

サトシは笑ってる。

「……」

ナツオもカズキに振り返っていた。一応興味はあるようだ。

「好きな人、かぁ……」

で、タツヤはなんでそこで俺をじっと見てるんだ。あっち向け。こっち見んな。

「いやなに、オマエラでもそんな人いるんかなーと思ってな」

「そういうお前はどうなんだ、カズキくんよ」

「俺? もちろんいるぜ」

「なぬ?」

俺の問いに、あっさり認めやがった。

「おーいいねー。本当に青春だー。気分は修学旅行の夜ってか。じゃあ俺もこの際言っちゃうか」

面白そうに言うサトシ。軽いなコイツ。

「……」

ナツオも目を細め、宙を見つめている。まさか……コイツにもいるのか?

「僕は……僕はね、あの、あのね、勇気を出して言うね。言うからねっ!」

何をそんなに必死な顔をしているんだタツヤは。でもって俺の手を握るな離せ馬鹿。

なんか……期せずして好きな人の暴露大会になってしまった。

名前が上がったのは、同じ学年のキョウコ、イクミ、サナエ、交換留学生のシンディと……何故か俺。


ってか俺って何だよ馬鹿野郎!