【少年達の日常】
学校の怪談 編
「やっと雨、止んできたなー」

学校の窓から空を見上げて、ケンジがつぶやきました。

「もうすっかり暗くなっちまったな」

隣で、サトシが言います。

放課後、急に激しい雨が降ってきたのですが、傘を持ってきていなかった彼らは、止むのを待っていたのでした。

「もう残っているのは俺らだけかー」

あたりを見回して、ユウタが言います。なんとなく不安そうな声と表情でした。時間は夕方で、しかも天気は雨。他のクラスメートもいません。いつもの同じ時間より、外も、教室の中も、ずっと薄暗く、静かでした。

「なあ、知ってるか?」

ふいに、今までずっと黙っていたゴロウが、口を開きました。他の3人が、一斉に彼へと振り返ります。

「今学校の建っているこの場所って、お墓だったんだってさ」

「え?」
「おいおい」
「やめろよー」

みんなから少し離れた教室の隅にぽつんと立っているゴロウの顔は、影になっていてよく見えません。

実はゴロウは、怖い話が大好きだったりするのです。今の教室の雰囲気に、彼の中で何かのスイッチが入ってしまったようでした。

「やだな、ただの噂だよ。そんな事、あるわけないって」

妙に落ち着いた口調で、ゴロウは言います。

「でもね、こんな話もあるんだよ。ああ、そうだ、みんなの怖いと思う話も聞かせてほしいな……いいだろ? ふふ、ふふふふ」

ゴロウが低い声で笑うと、タイミング良く大きな雷の音がして、彼の体のシルエットが青白く光りました。

その姿は、他の3人が思わず数歩後ろに下がってしまうほど迫力があります。


結局その後、4人はどこかで見聞きしたことがある怖い話をする事になりました。

ゴロウは楽しそうでしたが、他はみんな青い顔だったそうです。